自動車業界には重大な打撃を与える半導体不足
現在、世界的な半導体不足により国内外のメーカーで自動車の生産はくるしい状況が続いています。
納車までには1年以上、長ければ5年近くかかるとも言われ、これ以上の長納期化を避けるため、トヨタ ランドクルーザーや日産 アリア、フェアレディZなど、デビューしたばかりの新型車でさえオーダーの受付を停止せざるを得ないという事態になりました。
少しでも生産量を確保するため、装備を絞り使用する半導体の必要量を抑えたグレードを設定するなどの対策を行うメーカーもありますが、半導体不足以外の問題も今後直面する事が危惧されていると海外メディアが報じています。
新車の納期が遅れているのはなぜ?
半導体不足が解消しても生産遅れはかいふくしない?
海外メディアには、フォルクスワーゲンがウインドウなどガラスを使用する部品を備蓄していると伝えています。
各自動車メーカーで発生している生産遅れの主な原因は半導体不足に起因するものですが、その次に大きなのが原因にガラスの不足があるようです。
ガラスの原料を溶解するためのガラス工程では天然ガスや重油などの化石燃料が主に使用されていますが、この原燃材料の供給はヨーロッパではロシアからの輸入に依存していたとし、各国は代替燃料の確保に急いでいるといいます。
半導体不足には、コロナ禍による巣ごもり需要が原因
半導体不足解消後はガラス不足に?生産遅れは当面続くのか
こうした対応の中でガラス供給不足やコストの高騰といった問題が発生しているため、半導体不足が解決したとしても自動車メーカーの生産状況がただちに回復することはなく、また販売価格も上昇することになる見通しにあるようです。
半導体不足の中でも生産を間に合わせるために設定されたオーディオやナビがないグレードは、スマートフォンなどでそれらの機能を代替できるため、車としては問題なく使用可能です。雨風をしのぐためのガラスがない車には、車としての機能が十分に発揮されません。
ガラス不足がより深刻化した際には、半導体不足よりもさらなる打撃を自動車メーカーに与えるおそれがあります。