怒ると損をする1番目の理由は

「怒ってしまい、相手の意見に従えない」「イライラして、なにも手につかない」。ネガティブな感情に振り回されることは、だれでもあるもの人生がうまくいくか、いかないかは「感情次第」といっても、過言ではありません。

人生をうまく進めていく人の共通点は、こうした自分の感情と現実との折り合いをつけるのが、うまい事が。本気で「自分の目標を叶えたい」「いい人生を送りたい」と考えたときに、自分のネガティブな感情を整理していく事は、どうしても不可欠なのです。

どんな仕事のスキルや成功哲学を学ぶより、自分の感情との付き合い方は、人生において重要なスキルといっていいでしょう。では、どうすれば感情の整理が出来るのか? 

怒りを抱えて過ごすのはしんどい
 まず行けるり」についてお話ししたいのは、世間では怒っている人が、なぜか増えていると思えてならないからです。怒りっぽい方は、人生で“大損”をしています。

 たとえば、上司に侮辱的な言葉をあびせられ、激しく腹が立ったとしましょう。上司の顔を見るのも嫌になります。会社にいる間ムカムカして、家に帰ってやけ食いをしているうちに、「そういえば、上司はこの前も……」と別の怒りを反すうして、さらに怒りが増してくる……。こんな怒りを抱えて過ごすのは、さぞかし、しんどい事でしょう。

 でも、こうなる途中で、是非とも気づいてほしい。腹を立てたとしても、“一銭”の得にもならないという事に。これには、自分の問題ではなく、相手の問題なのです。

 これ以上、相手のタメに時間を使うのは、やめにしましょう。怒っている暇があるなら、もっと面白いテレビ番組でも見て過ごすか、気の合う友だちと恋の話でもして、楽しく笑って過ごす方が、ずっとマシ。

 1分1秒でも、相手のことを考えずに過ごした方がいいと思いませんか? 私達は、できるだけ、いい気分で過ごして、幸せな時間を持ちたいと思っているはず。怒っている間には、幸せを感じる力を失っています。限りある時間を大切にしたいとおもうなら、無意味な怒りの感情を追い出す必要があるのです。怒りを反すうしそうな時は、「怒ったら負け」とつぶやきましょう。

怒ることはエネルギーの「無駄」
 怒ると損をする1番目の理由は、単純には時間の無駄だから。怒ることで時間を浪費し、自分で自分をくるしめているのですから。そして、2番目の理由としは、エネルギーの無駄だからです。

 負の感情は整理出来ないと、マイナスの方向にエネルギーが使われるのです。怒るとエネルギーを消耗するのは、だれもが実感する事ではないでしょうか。カーッとなって怒って反論するとヘトヘトになるし、ぐっと我慢しても、言いようのない疲労感に襲われます。

 怒りの感情が整理できないままだと、エネルギーの消耗がつづいてしまうのです。「怒り」というマイナスの感情は、“壊す”エネルギーだと言われます。世の中がすべて自分の思いどおりになれば怒る事もないのでしょうが、どうにもならない事が多いので、「怒り」になります。

 怒りが爆発して、このエネルギーが人に向けられると、相手を傷つけたり、害したりする事になります。世の中の事件には、ほとんど怒りが原因で

戦争までも起こしてしまうから、怒りとは本当に恐ろしいものです。

 さらに悪い事に、怒りのエネルギーには、自分までも、むしばんでしまいます。手に負えない怒りを抱えてしまうと、精神と体を壊す事があります。いつもイライラしたり、落ち込んだり、やる気をなくしたりするだけでなく、ひどい時には、不眠・うつ・胃潰瘍・高血圧など病気になる事も。

 「はらわたが煮え返る」という言葉で言いますが、激怒すると、内臓への影響もあるとか。生きる力さえ奪う事もあるのですから、あぁ、怒りって怖い……。

 反対に、「喜び」というプラスの感情は、“作る”エネルギーと言われます。現実を肯定し、愛情を感じながら、いろいろなモノを作っていきます。家族・仕事・恋愛・人間関係・遊び・学び・生活……すべてにおいて、喜びがあるからこそヤッテ行けるやっていける。多くの障害・苦労があっても、喜びが点在しているから、乗り越え、作り上げていけるのです。

 “作る”・“壊す”はセットになっていて、喜びで作られたモノを、怒りは次々にぶち壊していきます。建設的に、何かを創造したり、はぐくんでいったりする努力を、怒りは台無しにしてしまいます。

怒りのせいで「大切なもの」を失くす事も
 怒りとは、「〜するべき」という理想と、目の前の現実にギャップが生じた時に生まれるモノ。家族を大切に思っているのについ怒ってしまい自己嫌悪になってしまう、せっかく努力して手に入れた仕事なのに会社の理不尽さが我慢できずに辞めてしまう、周りから慕われていたのにキレて信頼をなくしてしまうなど、“自制心”が働かない為に、大切なモノをなくす事があります。

 怒って得する事は、ほとんどありません。唯一、得になるケースとは、怒りが現状を変えたり、成長したりするエネルギーに換えられた時でしょう。

 お金で言うと、喜びは“貯金”・怒りは“借金”のようなものでしょうか。長期にわたって仕事や人間関係がうまくいっている人は、自ら多くの喜びを生み出しています。できるだけ怒りを生じさせずに、怒りがわいても早めに片づける習慣を持っています。

 あなたは、自分の人生において、貯金と借金、どちらを選択したいと思いますか? 私たちの大切な人生を、喜びで作り上げていくと、決断していきましょう

 怒りには、興奮して表にだすと、さらに増してくるという特徴があります。冷静になると、「あんな事は言わなきゃよかった」などと大きく後悔。どうして、こんなにも感情的になってしまうのか。

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怒りの正体は、自分を守ろうとする「防衛本能」だとい言われます。私たちは、自分が損害を被ると感じたとき、一気に戦闘モードになってしまい、敵対する相手を、攻撃しようとしてしまうのです。

 感情的になっている時は、自分を守りたい一心で、ほかの事が見えなくなります。だから感情に任せて発言・行動したりしないのが賢明な選択。とくに、大事な決断や相手を陥れるようなコメントは避けた方がいいでしょう。感情的に言っても説得力がないし、自分で自分の首を絞める事になりかねません。

 それに、自分を守るための怒りであっても、人を攻撃することで、さらに敵を作ることになってしまう。ここは、グットこらえたほうが得策です。心が乱れている時は、何もしないで、やりすごせばいいのです。落ち着くのを待って、どうしたらいいかを考えましょう。必ず、もっといい作戦が見えてるはずです。

 自分の正当性を主張するより、ストレスを最小限にして、うまくものごとを進める方が先決。次の展開は、あなたが予想できないほどの、ベストなものになりますから。

怒るよりまずは「相手の話」を聞いてみる
 誰だって、自分の事をわかってほしいと思っています。でも、自分のことばかり主張している方は、嫌い。怒って、自分の事を否定する人は、大嫌い。反対に、自分の話を聞いてくれる方は、大好き。自分の事をわかってくれる人の事は、だれもが認めようと思うもの。そんな方の話は、聞こうという態勢になり、相互理解が生まれます。

 当たり前なのに、なかなか分かっていない事ですが、どちらかが一方的に理解してくれるというアンバランスな人間関係は、成り立たないのです。本気で“自分の気持ちを伝えたい”・“わかり合いたい”と思うなら、まずは冷静に相手の話をよく聞いて、相手の立場から、考えてみる事です。

 その方が、相手が納得する言い方もわかり、話もしやすくなります。怒っている時には、相手を理解しようという気持ちが、完全に失われています。ミラクルなもので、相手の話を聞こうとすれば、怒りは静まり、相手に対する愛情もわいてくるもの。悪いようにはならないので、「お先にどうぞ」と、話を譲ってみては。

 「それは違うでしょう」と反論したくても、“ふーん”そう考えるのねと相手によりそって最後まで話を聞く。相手の考えと自分の考えは切り離してから自分の言い分を「私の考えを伝えるね」と切り出すのには、それからでもおそくないはずですね。

部下を怒鳴ってしまった上司の後悔
 友人で、ついカッとなり、人前で部下を感情的に怒った事が恥ずかしくて、1週間、何も手につかないほど落ち込んだという人がいました。

ケンカの原因やその相手の事はともかく、「人からどう思われてしまったんだろう」と他人の目が気になり、「みっともない行動を取ってしまった」という自己嫌悪にさいなまれることになったとか。その後、カッとなったらトイレに駆け込んで、鏡を見る事にしたそうです。

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 自分を認めてほしいと言う甘えや、ナメラレたくないという威嚇で、怒りっぽくなっている人がいます。いつも不機嫌な態度で、年下や仕事ができない人に対して、「そんな事も出来ないの?」と遠慮なく怒りを爆発。

 でも、感情をむき出しにすることは恥ずかしい事です。自分の弱さ狭さを暴露しているようなもの。

 自分の怒りを周囲に訴えている人は、「それはそうね」と共感してもらえることを望んでいたりしますが、だれかが「あなたも悪いわよ」などと言おうものなら、険悪なムードになります。人を“否定”しても、自分が“否定”される事は嫌なのです。

 他人のことはシビアに見えて、自分の事は見えにくいもの。人前で怒りが噴き出てしまいそうなときは、「怒っている自分はどう見えているのか」と、ひとごとの様に自分を見るクセをつけてはいかがでしょう。われに返っ時は、怒りがサーッと引いていきますからね。

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