そんなゴーヤーに含まれる栄養素で特徴的なのがビタミンC。100グラム当たり76ミリグラム含まれているのですが、ビタミンの代表ともいわれるレモン(果汁)は100グラム当たり50ミリグラムなので、レモン果汁よりゴーヤーの方がビタミンCが多く含まれていることになります。
これから日差しが強くなる時季です。ぜひ、朝からビタミンCをしっかりとって日焼け対策に役立ててみてはいかがでしょうか。
また、チャランチン、モモルデシン、ポリペプチド-Pなどの成分も注目されています。これらの栄養素は、肝臓や筋肉、脂肪細胞に糖を取り込みやすくさせて、血糖値を低下させてくれるのです。また、筋肉や肝臓などに糖を蓄えてくれるグリコーゲンの合成を促してくれることも。これらの働きで、耐糖能が改善され、糖尿病に対する効果が表れるという報告があります。
100人の2型糖尿病患者を対象にゴーヤーを食べた研究では、86人で空腹時血糖と食後過血糖の両方が改善し、5人では空腹時血糖のみの改善が認められています。その他、ゴーヤージュース(50ミリリットルを1日1~2回)を飲んだ18人の糖尿病患者のうち13人で耐糖能が改善したという報告や、8人の患者にゴーヤーの乾燥粉末を7週間投与した後、空腹時血糖と耐糖能が改善したという研究もあるのです。
基礎研究の分野にはなりますが、抗ウイルス作用、抗炎症作用、コレステロール低下作用、抗がん作用なども報告されています。
そして、モモルデシンは血糖値を下げる効果の他に、血圧低下作用、胃酸の分泌を促して食欲不振解消作用、整腸作用があることが認められているのです。さらに、β―カロテンや葉酸、鉄なども含まれるので、夏バテを予防し疲労回復のためにもゴーヤーは最適な食材といえるでしょう。
ゴーヤの苦味の取り方と下処理/下ごしらえ
ゴーヤの下ごしらえで「ワタをしっかり取る」ことが紹介されていることもあるのですが、ワタって実は苦くない。
そして、ゴーヤの塩もみもよく言われることですが、「砂糖も加えると、より苦味がやわらぐ」と思います。
苦味の得意不得意もあると思うので、ゴーヤの苦味を取るための下処理を詳しく紹介したいと思います。
ゴーヤの苦味を抜く(やわらげる)方法
ゴーヤは炒めるかゆでるか、どちらかの調理方法が多いと思いますが、そのどちらでも、切ったゴーヤに塩と砂糖を加える下ごしらえを行うのがおすすめです。
ゴーヤ1本に対してAの塩小さじ1/2と砂糖小さじ2を合わせるが目安です。加えたら箸で全体を混ぜ、5~10分ほどそのまま置いておきまましょう。
時間を置くと塩と砂糖がなじんで、ゴーヤから水分が出てきます。ゴーヤ自体に塩と砂糖で味が付く、さらに水分と一緒に苦味も多少出る、この2つの効果でゴーヤの苦みが和らぎます。
これでゴーヤの下ごしらえが完了です。ゴーヤから出てきた水分を捨てて、炒めるときもゆでるときも、洗ったりせずにそのまま調理に使ってください。
料理の味付けの段階での苦みの和らげ方
ここまでは加熱調理前の下処理の紹介ですが、ゴーヤの苦みを和らげるには、味付けの段階で工夫することもできます。
それには2つ方法があって、一つは油と合わせて、苦味を感じにくくする方法。『ゴーヤチャンプルー』で豚肉と合わせるのも脂による効果がありますし、『ゴーヤのマヨ炒め』のようにマヨネーズを使ったり、天ぷらやフライといった揚げ物にするのも効果的です。
もう一つは、うま味のあるものと合わせて苦みを感じにくくする方法です。『ゴーヤチャンプルー』で仕上げに鰹節をふったり、和え物でも『ゴーヤのおかか和え』のように鰹節のうま味をきかせるとよいです。
さらに言えば、市販のめんつゆや味の素など、化学調味料などうま味の強い素材の配合された調味料を使うことでも、苦みは感じにくくなります。
油とうま味、片方のみ、もしくは両方に気を付けて味付けを行うことで、ゴーヤの苦みはかなり和らぎ、食べやすく仕上がると思います。
2~3日程日持ちしますが、お作りいただいた当日中のほうが美味しくお召し上がりいただけますよ。美味しいうちに早めにお召し上がりくださいね。
【ダイエット】
ゴーヤ茶の種子に含まれるリノレン酸は、体中で「共役リノール酸」に変わります。共役リノール酸は、効果的に脂肪を燃焼することができると言われています。適度な運動を行いながらゴーヤ茶を飲むことで、より効果を高められそうです。
【美肌】
ゴーヤ茶に含まれている豊富なビタミンCは皮膚の免疫力を高めることが期待できます。日差しの強い夏は、ゴーヤ茶を飲んで日焼け対策を行いましょう。
【夏バテ】
ゴーヤ茶に含まれる「モモルデシン」に期待される健胃作用と、豊富なビタミンCの免疫力強化により、夏バテを防止します。カリウムには利尿作用があると言われているため、体内の熱を下げる可能性があります。
ゴーヤ茶の作り方
ゴーヤ茶は家庭でも簡単に作ることができます。ゴーヤ茶は苦味も少なく、ほうじ茶に似たほのかな甘みとコクが特徴です。ゴーヤ特有の風味が気になる場合は、アイスにすると飲みやすくなります。ゴーヤ茶の作り方は下記にまとめました。
- ゴーヤは縦半分に切り、スプーンで綿を取り除きます。種は捨てず、綿から取り除いてください。
- 半分に切ったゴーヤを1mm幅の薄切りにします。
- クッキングシートを敷いた皿の上に、ゴーヤと種を重ならないよう広げます。
- 1日から2日、日当たりと風通しの良い所に置き、カラカラになるまで天日干しにしてください。天日干しが難しい場合は、電子レンジで加熱しましょう。(電子レンジを使用する場合は、オーブンシートの上にゴーヤを並べ、両面を3分から4分ずつ加熱します。)
- 乾燥したゴーヤと種をフランパンで薄茶色になるまで乾煎りしたら完成です。冷めたら、湿気を吸わないよう密封できる容器に入れて保存してください。
ゴーヤ茶の飲み方
急須などにゴーヤを適量入れ、熱湯を注ぎ5分待ちます。煮出す場合は2分から3分程度で大丈夫です。しっかりとゴーヤの成分を抽出してから飲みましょう。出し殻になったゴーヤは、佃煮にして食べることができます。
ダイエット目的で飲む場合は、1日6杯から7杯程度がおすすめです。ただし、体調や持病などの理由からカリウムの摂取量を制限している方は、必ず主治医に相談してください。
夏の代表的な野菜の1つであるゴーヤ。家庭菜園で育てる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ゴーヤ茶は家庭で簡単に作ることができ、体に良いと言われる成分が数多く入っています。
カフェインが含まれていないため、胃の弱い方や妊婦の方でも安心して飲むことが可能です。今年の夏はゴーヤ茶を作ってはいかがでしょうか
ゴーヤは緑の鮮やかなものほど新鮮で栄養価が高く、苦味も強くなるので、苦味が嫌いな方や胃腸が弱っているときは緑色の薄い、果皮の粒々が大きめなものを選ぶことをおすすめします。