身近に存在するコーヒーや紅茶は、身体にメリットとデメリットの両方をもたらす不思議な成分です。その特性を熟知して、賢い付き合い方

オフィスでも家庭でも広く愛飲されているコーヒーや紅茶、そして緑茶や一部炭酸飲料などには、カフェインが含まれている。カフェインを日常的に嗜む人々の割合は、世界人口のおよそ8割に上るともいわています。身近に存在するカフェインは、身体にメリットとデメリットの両方をもたらす不思議な成分です。その特性を熟知して、賢い付き合い方をマスターしたいですね。

◆悪影響1.疲労感

 仕事や勉強などのモチベーションを高める為に、エナジードリンクやコーヒーを摂取する機会は多いものです。また飲みすぎると翌日にリバウンドが起き、疲労感に悩まされてしまう。過去のまとめた調査により、この傾向は科学的にも裏付けが取れています。

◆悪影響2.不眠

少量のカフェインであれば影響は少ないが、摂取量が増えた場合、眠りに入るまでに長い時間を要する様になる。カフェインの効果は予想外に長く続き、平均5時間、最大で9.5時間継続する。夕方以降に摂取するドリンクは慎重に選びたいですね。

◆悪影響3.不安

 副作用としては見逃しがちなのが、情緒面の変化です。カフェインには警戒心を高める作用があり、アデノシンと呼ばれる脳内物質の働きを抑えて疲労を感じにくくするほか、同時にアドレナリンの放出を促す。こうした働きが強くなると、神経質になったり不安障害に繋ががったりする場合がある。

◆悪影響4.高血圧

カフェインを摂ると一時的に血圧が上昇することがあり、とくにふだんカフェインに慣れていない人々の間でこの傾向は顕著だ。長期的に高血圧は、心臓発作と脳卒中のリスクを上昇させる。運動時の血圧に影響を与えやすいため、エクササイズ前後の摂取は控える方がよいでしょう。

◆悪影響5.頻脈

大量のカフェインを一度に摂取すると、刺激によって鼓動が速まることがある。エナジードリンクをよく飲む人々の間では、不整脈の一種である心房細動も報告されている。すべての人々に異常を引き起こすわけではないが、異状が続く場合は摂取量を減らすよう心がけたい。

◆悪影響6.消化器の異常

カフェインは腸の動きを活発にすることから、一時的に便が緩くなることがある。また、食べ物の逆流を防ぐ筋肉が弛緩することがあり、胃食道逆流症(GERD)の原因となる。胸焼けや酸性の液体が込み上げる感覚が続くなら、カフェインの摂取を控え、胃腸内科か消化器内科を受診したい。

◆悪影響7.筋肉の損壊

 まれではあるが、カフェインの過剰摂取によって横紋筋融解症と呼ばれる病気に至ることがある。筋肉を形成する骨格筋細胞が壊死または融解するものであり、ときに血中に溶け出ることで急性腎不全を併発することがある。短時間に大量のカフェインを摂ることは避けた方がよい。

◆悪影響8.頻尿

 利尿作用のあるカフェインは、トイレに立つ回数を増やすことにつながる。膀胱が収縮することで尿意を感じやすくなる「過活動膀胱」の傾向がある人々のあいだで、症状はとくに顕著なようだ。女性を対象とした大規模な調査では、カフェインの過剰な摂取が失禁のリスクを高めることも確認されている。

◆悪影響9.カフェイン中毒

 目覚めのコーヒーなしにはどうも本調子が出ないという場合は、すでにカフェイン中毒になりかけているかもしれない。中毒になると、半日から1日ほど摂取しないだけで、頭痛や疲労感、思考の鈍化などの禁断症状に見舞われる。症状は最大で9日間ほどと長く続くため、そもそもカフェイン依存に陥らないことが重要です。

◆効果1.脂肪燃焼

以上のようにいろいろと悪影響が指摘されているカフェインだが、一概に悪者と言い切ることもできない。カフェインには身体機能を高めるなど、メリットも多く存在する。そのひとつが脂肪の燃焼効果だ。市販の多くの脂肪燃焼サプリにはカフェインが含まれており、このことからも効果の高さがうかがえる。研究により、肥満体型の人で最大10%、やせ型の人で最大29%ほど脂肪の燃焼を増加させることが確認されている。

◆効果2.脳機能の向上
 カフェインは血流に乗って脳へと運ばれ、脳内物質の生成に影響を与える。ドーパミンなどの分泌を促進し、ニューロンの反応を活発にする効果がある。結果、やる気の向上、気分の改善、疲労を感じにくくなるなどの変化が生まれる。記憶力の向上にもつながるなど、脳機能を高める作用も注目されている。

◆効果3.身体能力の向上

 脳機能だけでなく、身体機能の改善にもカフェインは役立つ。摂取により血中のアドレナリン濃度が上昇するが、これは生存の危機に瀕したときに分泌される闘争・逃走ホルモンの一種であり、通常以上の力を発揮するのに役立つ。さらにカフェインは脂肪を分解して遊離脂肪酸に変化させ、エネルギーとして利用可能な状態にする。これらによって激しい運動に向けた準備が整い、パフォーマンスは平均で11%から12%ほど向上する

◆効果4.パーキンソン病のリスク抑制

ドーパミンを生み出す脳内の細胞が死んでしまうと、パーキンソン病につながる。パーキンソン病はアルツハイマー型認知症に次ぎ、世界で2番目に多い神経変性疾患だ。手足の震えや筋肉の硬化などが起き、歩行が難しくなってしまう難病となっている。有効な治療法が確立されていないため、予防が重要だ。カフェイン入りのコーヒーを飲む人はパーキンソン病を患うリスクが32%から60%低いとされており、予防手段としての有効性が期待されている。

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