ChatGPTで検索エンジンに頼らなくて済む

ChatGPTやBingでウエブサイトを表示させると 検索エンジンよりも適切な情報を得られる場合があります。望む色々な情報を得る手法が、大きく変わるかもしれません。

百科事典と検索エンジンが知の大衆化をすすめた
ある時代までに、学習は、最初から順序立てて体系的に行なうしか方法がありませんでした。歴史であれば、 国別や時代別に学習する。 数学であれば、基礎から順に進む。

学問を修める為には、最高学府である大学に行く必要がありました。ヨーロッパの場合に、そこでは、日常用語とは乖離したラテン語によって、学問が伝授されていたのです。

一般の市民が、知りたいことだけをピンポイントで知るのは、簡単な事ではありませんでした。

知りたい事だけを知る為には、 百科事典を参照する必要がありました。百科事典は、知の大衆化の為に大変重要な役割を果たしたのです。

検索エンジンが使える様になって、知りたいことを簡単に ピンポイントで知る事ができるようになりました。検索エンジンには、知の大衆化をさらに大きく進めたのです。

検索エンジンが使われる様になってから成長した世代の人々は 、検索エンジンのこのような意味を理解できないでしょう。これが使えない時代には、「知りたい事を知る」のは、そんなに簡単なことではなかったのです。
ChatGPTなら検索語がわからなくても調べられる
ところが、検索エンジンには、2コの問題があります。第1の問題は、検索語 がわからないと、調べられない事です。

しかし、ChatGPTを使えば、 検索語がわからなくても調べる事ができます。例えば「世襲」という言葉を忘れてしまったとしたら、 「王朝などが血縁関係で引き継がれていく事を何というのですか?」と聞けば、教えてくれます。

この方法は専門的な用語についても使う事ができます。コンピューター関係などでは 専門用語が多いのですが、忘れてしまう事があります。 そんな場合には、説明をすれば教えてくれます。こうして、知の大衆化がさらにすすむ可能性が出てきたのです。

検索エンジンには、望む答えを示してくれない
ところが、ChatGPTには深刻な問題点があります。ハルシネーション(幻覚)がある為、誤った情報が出てくる可能性があるのです。このために、検索エンジンを手放す事ができません。

ただ、検索語がわかっている場合であっても、検索エンジンから望む結果が得られるとは限りません。先に、検索エンジンには2つの問題があると言いましたが、その第2が、これです。

例えば、ChatGPTについての専門的な問題についての文献を求めても、上位に表示された記事には、「ChatGPTを使ってみた」などの経験談や、使い方についての通り一遍の一般的な説明しか書かれていないことが多いのです。あるいは、ChatGPTをつかったサービスの広告記事です。望むテーマについての文献は得られない事が多いのです。

新しい技術の為、入門的な解説に対する需要が多いのかもしれません。しかし、資料を得たいと言う要請には、これではまったく不十分です。

プラグインを使って「幻覚現象」にたいしょする
ところが、この問題を解決する為の手段が現れました。

今年の5月から、従来の検索エンジンとは別の方法でウェブ記事を探す事が可能になったのです。ChatGPTでプラグインサービスを利用すると、これができます(ただし、有料サービスの為利用者に限定)。

ChatGPTそのものの出力には、誤りがふくまれている可能性があります。しかし、プラグインでしめされたウェブの記事を読めば、こうした誤りは発生しません。

例えば、「『ChatGPTのプラグインでウェブを検索できる様になった為、従来の検索エンジンが影響を受ける』と論じている記事を示して下さい」と指示したところ、5つの記事を表示しました。それぞれには、簡単な説明がつけられて います。

ここで示された記事には、いずれも英語の記事ですが、翻訳してくれ ます。要約を求める事もできます。

重要なのは、これらの記事の質が高かった事です。大いに参考になりました。私の情報収集能力が飛躍的に高まった事を実感しました。

ChatGPTのプラグインがどの様な基準でサイトを選んでいるのかは、明確 ではありません。ただ、検索エンジンでは上位に表示されない記事が選ばれている事からすると、従来の検索エンジンとは異なる基準を用いている可能性が あります。

仮にChatGPTがサイトの中身を読み取りし、それとユーザーの要求を突きあわせているとすれば、われわれは、要求に添った結果を得られる手段を手に入れた事になります。これは大変大きな変化です。

検索エンジンに依存しなくともすむ?
私達は、長らく検索エンジンの上位の結果に質の高い情報が存在するとの前提で検索活動を行ってきました。しかし、この信頼性にも疑問が投げかけられています。

多くのサイトがSEO(検索エンジン最適化)を行なっている為、結果がそれに影響される可能性があります。また、フィルターバブルの問題にも無視できません。これらの問題にもかかわらず、検索エンジンへの依存が続いてきたのですが、新しい検索のアプローチが可能になっています。

Bingの急成長とGoogleの停滞
先述したのは、ChatGPTのプラグインを活用する手法ですが、マイクロソフトのBingにもウェブを検索します。私は、Bingの提供する検索結果にはあまり満足していないのですが、無料である事から、多くのユーザーがBingを利用している様です。

実際、Bingの登場からの利用者増加は顕著であり、一方、Googleの検索エンジンの利用は微減ないしは微増に留まっています。この背景には、新しいサービスへの好奇心にも影響しているのでしょうが、Googleの提供する情報にたいする不満も無視できません。

事実、Bingの利用者数がその後減少したという情報はきかれません。こうした動向から、検索エンジンの市場には、構造的な変動が起こっている可能性が考えられます。

その影響で、従来のSEO対策にも変わるかもしれません。従来、ウェブコンテンツには、アクセス数の増加が優先され、内容の質よりタイトル等の見かけが重視される傾向がありました。このような状態は本末転倒です。内容の充実が後回しにされると、質の低下がさけられません。しかし、この状況が改善される事が期待されます。

スポンサーリンク







シェアする

フォローする