「自分の髪の臭いが気になる」「どう対処すればよい?」というご相談をいただきました。
男女問わず、臭いが気になる方は多いのかもしれません。自分だけが気にしていて、周囲は何とも思ってないケースもあるようです。
とはいっても、本人が気になる限り、放ってはおけません。どうすればよいのか、見ていきましょうね。
私が気になるのは、髪の臭いです。夜に洗髪しても、翌日の午後には臭うような気がします。きちんと洗えていないのでしょうか?臭い対策はどうすれば良いのでしょうか?
頭皮の臭いはなぜ発生する?
まず、「臭い」について基本的な話をしておきます。
髪に限らず、身体が発する臭いは皮脂と汗が関与していることがほとんどです。そして、肌の状態とも関係しています。
頭皮は自分では見えません。また感触を確かめようと思っても、髪が邪魔をしてよくわかりません。ところが臭うとなったら、いろいろと想像してしまいます。
洗い足りないのではないか?と考えるのはごく自然です。でも、そうではありません。
洗い足りないなら、洗髪直後にも臭いは残っているはずです。時間が経って臭ってくるのは、洗髪後に臭いとなるものが付着、もしくはつくられているからにほかなりません。
髪の毛そのものが臭うことはありません。髪の毛はつくものによって「臭い」が左右されます。焼肉をすると髪が焼肉の臭いになるのはそのためです。
相談者さんが「臭う…」と感じているのは、頭皮で発生する臭いであり、これが問題なのです。
頭皮は、皮脂や汗の分泌量が顔や身体より格段に多い(2~3倍)ので、臭いをつくる要素は十分にあります。しかし皮脂や汗そのものに不快な臭いはありません。
つまり、皮脂や汗がどのようにして臭いに関わっているかを知ると、原因と対策が見えてきます。頭皮を例にしましたが、体臭も含め、参考にしていただければと思います。基本は同じです。
長くなりますので、今回は皮脂に起因する臭いに絞って解説しましょう。
若いから安心、じゃない。「加齢臭」に要注意
加齢臭…イヤな響きですよね。若いときは大丈夫なの?と思えますが、そうではありません。加齢とともに発生しやすくなる一面があるだけです。
皮脂はさまざまな脂肪酸や脂質の混成物です。皮脂が酸化すると、過酸化脂質が増えます。この過酸化脂質がさらに酸化を促し、アルデヒド類が生成される…これが加齢臭の原因です。
アルデヒド類のなかでも「ノネナール」という物質が、古本や枯草、チーズのようなあの好ましくない臭いを発しているのです。
加齢により皮脂の脂肪酸構成が変化します。40歳を過ぎたころから、皮脂腺のなかにあるパルミトオレイン酸という不飽和脂肪酸(酸化しやすい脂肪酸)が増加します。この脂肪酸が酸化・分解されるとノネナールがよりつくられてしまうのです。
皮脂腺の比較的発達している、頭皮・うなじ・背中・脇・顔のTゾーンなどから臭いやすく、男性の方が臭いが強いとされています。
男性は女性より若干皮脂が多い傾向にあることと、加齢に伴う脂肪酸構成の変化が大きいことは事実です。なので、「加齢臭=中年男性」というイメージがついたのでしょう。
しかし女性だって、加齢に伴うこのような変化はあります。他人事ではありませんよ。また若くても子どもでも、ノネナールはつくられているのです。
ほかにも皮脂の酸化により発生する「ペラルゴン酸」という物質も加齢臭のひとつとされています。これは皮脂の分泌量がピークになる30代に多く、古くなった食用油のような臭いを放ちます。
おじさん臭・おばさん臭を放たないために
脂肪酸の酸化を減少させたり、遅らせたりすることができれば、加齢臭なんて言葉はなくなるのでしょう。しかし、皮脂が出続けている限り、酸化をなくすことはできません。
また加齢臭対策といって、さまざまなデオドラント製品が出まわっていますが、洗い過ぎにつながりやすいもの、臭いに匂いを重ねているだけのものがほとんどです。
製品によってはかえって皮脂や臭いが増したり、肌の健康を阻害したりするものがあるので注意しましょう。清潔を心掛けることは大事ですが、やりすぎは逆効果ということです。
加齢臭の望ましい対策は、「不要な酸化を少しでも減少させること」につきます。つまり、皮脂を酸化させる酸素、特に活性酸素(フリーラジカル)の影響を小さくすることです。
これは、病気予防・老化防止対策にもいわれていることです。さまざまな疾病の9割に活性酸素が関わっているそうなので、加齢臭対策は基本的な健康対策でもあるわけです。
また身体に本来備わった、活性酸素を除去する酵素(SOD)が40代から顕著に減少し始めます。これはおちおちしていられません。老若男女を問わず、いますぐ対策を始めておきましょう。
皮脂の分泌量を正常化させる
酸化ダメージを減少させる
1については、サッポーの「肌が育つケア」で皮脂分泌の正常化が実現します。ただし、長期対策になるので、当美肌塾を参考にじっくりと取り組みましょう。
さらに細分化すると
活性酸素をもたらす最大の要因、紫外線を防止
悪玉菌を減らし、腸内を良い状態に保つ食生活
抗酸化物質を含む食品・栄養素の摂取
シャンプーを使う
取り除きたい皮脂や脂肪酸は水・お湯だけでは落としきれません。
皮脂は、40℃でも固形のものもあるので、洗浄成分で捕まえて洗い流します。
◇こんな機能の製品を活用
頭皮に届けやすく広げやすいなめらかで適度にやわらかく行き渡らせやすい泡
髪を守る、塗布の時から、すすぎ終わるまで髪がきしまない
頭皮にひろがると気持ちよい、マッサージしやすい・泡質・液性
頭皮クレンジングのポイント
根元や頭皮に泡が行き渡っているか指で確認しましょう。洗い流したい油性成分に対して洗浄成分がたりないと泡が消えてしまいます。タップリの泡を頭皮にまで届けるようにしましょう。
かゆみ・皮脂が残っている感じがある部分に泡を行き渡らせましょう。
すすぎは皮脂・脂肪酸をシャンプーとともに洗い流して取り除きます。指で頭皮・根元に触れて泡やぬるつきがなくなるまでシッカリすすぎましょう。その後髪に優しく指をとうしながらすすぎます。温度は、ややタカめがすっきりすすげます。
髪の重なりの多いこめかみ奥や後頭部・頭皮にしっかり泡を届けるように洗いましょう。
洗髪時の頭皮マッサージ
洗髪時にリフレッシュしたい方にお勧めです。なめらかなあわが頭皮にだいたい行き渡って、すすぐ前に行います。
手のひらで頭皮をはさんだり、指で頭皮を掴むようにして、頭皮を押しながらもみほぐします。頭皮を“こすらず”に手の位置を変えて全体におこなうといいでしょう。
髪の臭いや加齢臭には、大きく皮脂の酸化が関係していました。そして身体の老化の最大原因も酸化、皮膚も同じです。
肌を老化させないことが加齢臭の発生を少なくすることにつながります。おじさん臭やおばさん臭などとは無縁の、素敵な大人を目指しましょう