卒園・卒業・入園・入学・就職祝い。まもな訪れる“春”には、お祝いの事や行事が多い季節ですね。結婚・出産・定年退職・長寿など色々な、人生にはさまざまな事の節目があり、お祝い事をしますね。色々な場面でのお付き合いと、贈り物のマナーについてです。
人との付き合い方が昔とは変化している現代に、『家族や親戚・友人・同僚…一体誰まで祝うべきなのか』と、迷う人は多いのではないでしょうか。配偶者・親戚など、日ごろ付き合いがない方にも、お祝いを送るべきなのでしょうか。
基本的には、3親等内の親族に対しては、節目にお祝いを送ります。
自分にとっての叔父、叔母・甥・姪の範囲ですね。曽祖父母やひ孫も含まれます。
3親等外で迷うのは、いとこ・いとこの子、祖父母の兄弟である大おじや大おばでしょうか。長い間の付き会いがなければ、お祝をいしなくても大丈夫です。
上司・取引先の昇進、お世話になった人が重要な地位に就いた時など、仕事や友人関係においてもお祝いの機会はたくさんあります。ただし、今は虚礼廃止の時代。贈り物をしなければならないという決まり事は、ありませんね。
大切な事は、お祝いをしたいという自分の気持ちです。
あまり付き合いがない方でも、自分の結婚・出産の際にお祝いをもらったら、相手の結婚や出産の際には同等の返礼をします。親や家族がお世話になっている方に対しても、お祝いをすることがあります。自分が直接関わっていないからといって知らないふりをするのは、義理を欠く、恥ずかしい行為だと思います。控えたいものです。
一般的には、贈り物を頂いたら、何らかのお返しをしますよね。贈答とは、その人とこれからも良い関係を続けていきたい、という気持ちの表現なのです。
ところで、贈り物の選び方にもマナーがあります。相手に喜んでもらえる物を贈るのが基本です。それには相手の好みをリサーチしておくことが必要ですね。
会話の中で「○○が好き」など、何げなく言った話を覚えていると、選びやすいですね。無難な品に甘んじて他の人からの贈り物と重複してしまうことも避けられ、喜ばれるでしょう。
さて、お祝いの場面によっては、控えた方がよい品があります。
結婚祝いには、はさみや包丁といった切る道具、グラスや花瓶、鏡などの割れやすい物は縁起が悪いとされています。
新居祝いには、火に関係する物や炎を連想させる物はタブーです。灰皿やアロマキャンドルなどは避けましょう。一般的に縁起の良い色とされる赤い物も、やめた方が良いでしょう。大型のインテリア品、観葉植物などは人によって好みが違うので、あらかじめ先方に確認しましょう。
仏事のお返しに多いお茶や、漢字で手巾(しゅきん)と表し「手切れ」を連想させるハンカチ、「苦」や「死」と読みが同じくしなどは、どんな場面でもお祝いの品には適しません。
立場によっても配慮が必要。目上の人には、靴や靴下、スリッパなど踏みつける物はNGです。
ここまで、一般的なタブーを紹介しましたが、縁起が良くないとされている物でも、相手からの希望があれば贈って構いません。お祝いの品を決めた理由や、相手への思いを書いたメッセージを添えると、気持ちがより伝わりそうですね。