十五夜とは聞いた事がある人は多いですが、どのような意味かを知っている人は意外と少ないです。十五夜の意味は、月の満ち欠けする様子や、月の満ち欠けと一緒に作物が成長する事から、農作物の収穫や物事の結実、祖先とのつながり等を連想する事で、これらに感謝して祈るようになったというのが十五夜です。
元々旧暦では月の満ち欠けで日付を決めていたので、中秋の名月である十五夜は8月15日の満月を意味します。新暦に置き換えると9月15日になりますが、正確には十五夜は毎年違う日になります。
しかし毎年違うと行事ごととしても大変なので固定している場合が多いです。また十五夜というと満月のイメージが強いですが、必ずしもそうではありません。
それでも十五夜の夜はお月見を楽しむ人が沢山います。縁側やベランダ等月が眺められる場所に月見台を置いて、そこに団子や里芋、果物等のお供え物を飾り、みんなで眺めるのが昔から続く楽しみ方の一つです。
団子は、丸い形を月に見立てて感謝の気持ちを表したもので、十五夜であれば15個用意してピラミッドのような形に積んで供えるときれいです。
また里芋や栗、枝豆といった収穫されたばかりの農作物を供えて豊作に感謝します。特に里芋を供えるのが一般的で、芋名月との異名があるほどです。お供え物は各地によって多少違いもあり、独特な風習が各地には広がっています。
最も有名なのがお月見泥棒というものです。これはどういったものかというと、お月見の時だけはお供え物を勝手に取ってしまってもよいという風習です。子供がお供え物を勝手に取って食べたりしても、大人はお月様がお供え物を食べたと捉えて喜ぶという風習が残っています。
お月見の基本的な楽しみ方としては、部屋の明かりを少し落として、月を見ながら食事をするというのも風流があって良いです。飾りには定番のススキを用意します。ススキは秋の七草の一つで、白い尾花が稲穂に似ており、魔除けになるという理由から供えられるようになりました。
昔であればススキが近所に生えている事もよくありましたが、最近は見かけなくなったので、そういう場合はお月見を演出出来るような飾りを自分で用意してみると良いです。
例えば、ウサギをモチーフにしたタペストリーを部屋に飾ってみたり、テーブル周りにウサギや月が描かれた手ぬぐいを置くだけでもかなり違います。
このようなちょっとした工夫をするだけでも月見らしさが高くなるので、ススキが用意出来ない人は是非試してみると良いです。