筋トレ・ダイエット・プロテインで肝臓や腎臓に負担も…正しい摂取方法

日本人の健康意識の高まりや筋トレ・トレーニングで、多くの方から注目を集めている“タンパク質”。なかでもプロテインは、タンパク質を効率的に摂取できる為、多くのトレーニー・ダイエッターに愛用されている。正しい摂取法を守らないと、むしろ健康を害する要因となる恐れもあると言う。

プロテインの摂取と目安量を 正しく知っておこう

体づくりに気を使う人にとって欠かせないのがタンパク質です。特にプロテインは、今や老若男女問わず、多くの方々が生活に取り入れている。

パウダー状のプロテインを水や牛乳などで溶いて飲むドリンクタイプが主流だが、最近はドリンクタイプのほか、「プロテインバー」などのスナックタイプも増えている。また、プロテインではないのですが、「サラダチキン」などの高タンパク食品もスーパーやコンビニで売り場を増やしてきている。

また、プロテインは筋トレ・ダイエット目的以外に、美肌の効果なども得られるため、美容目的で摂取する人も少なくないという。

さまざまなシチュエーションで用いられているプロテインですが、人それぞれの体重、運動量によって、1日の規定摂取量が変化するそうだ。自身も日々の筋トレと、トレーニング後のプロテイン摂取を欠かさないというのが、1日の摂取量の目安を教えてくれた。

トレーニングをした日は、体重1kgにツキ1.5g~2gのタンパク質が規定量です。体重60kgの人であれば120gですね。この量では、食事だけではなかなか摂取できない量なので、プロテインドリンクなどで補うと良いでしょう。一方で、運動をしてない日は、体重1kgにつき1gのタンパク質が規定量で、体重60kgの人なら60gとなります。もし体を動かしていない日には、動かしている日と同量のタンパク質を摂取した場合、取りすぎになってしまいます」

種類・メーカーによって異なるが、プロテインドリンク1杯で摂取できるタンパク質の量は、約20g。トレーニングの前後に飲む分には問題ないが、デスクワークだけをする日に、水代わりに何杯も飲むなどしてしまうと、健康を害するリスクがあるという。

◆プロテインの“種類”によって、体が不調になるケースも

タンパク質の過剰摂取による悪影響で、最も深刻なのが、肝臓と腎臓への負担 だという。

「肝臓・腎臓は、タンパク質を分解する臓器です。タンパク質の摂取量が多すぎると分解が追いつかず、負担が増えて、肝臓も腎臓も疲れてしまいます。これらの臓器にダメージが蓄積する事で、腎結石のリスクが高くなるといえるのです」

とは言え、腎結石の危険性が高まるのは、体重1kgにつき2.8g以上のタンパク質を毎日摂取している場合だと言う。体重60kgであれば168g、プロテインドリンクに換算すると約8杯半です。この量を毎日取ることは難しいため、腎結石のリスクは、それほど心配する必要がないと、語る。

「量ももちろんですが、同様に注意して頂きたいのが、プロテインの種類です。プロテインはおおきく3種類に分けられます。牛乳を原料として吸収が早いとされる動物性の『ホエイ』と、同じく牛乳を原料としていますがホエイより吸収がゆるやかな『カゼイン』、それから大豆を原料とした植物性の『ソイ』です」

筋トレ後の筋肉修復を最も効率的に行う「ホエイ」は、筋肉をつけたいという人には主流のプロテインです。一方で、腹持ちがいい「カゼイン」や、美肌づくりの効果もある「ソイ」は、ダイエッターや美容意識の高い人々からも支持を集めている。

「動物性タンパク質のほうが早く体内に吸収され、効果が表れるのも早いという特徴があります。しかし、タンパク質は思っているよりも複雑で、『この用途なら、このプロテインを摂取すればOK』と、単純に結びつければいいわけではないのです」

「プロテインの種類と、体質の“相性”が重要です」という。

「人により、相性の良いプロテインのと、悪いプロテインがあります。いくらハードなトレーニングをこなし、規定量のプロテインを摂取しても、相性が悪ければ思うようなトレーニング効果が出ません。動物性タンパク質のほうが早く体内に吸収されるとはいえ、自分の体質と合っていなければ、効果は低いのです」

プロテインによる悪影響を知るには 摂取して観察するしかない

トレーニングの効果が出ないだけならまだしも、あまりにも体質に合っていない場合 は、体へ悪影響を及ぼすこともあるという。

「たとえば、『カゼインプロテインを取ると下痢を起こす』『動物性でも、カゼインは問題ないが、ホエイは体がだるくなる』など、相性が悪ければ健康を害する恐れもあるのです。こうした相性の良しあしは、現状、検査などでは見つけられず、実際に摂取する以外に判断方法がありません」

効率よく、かつ安全に体を鍛える為、プロテインと自身の相性を知ることは不可欠です。また、規定量内であっても、体質によっては量が多いと感じ、不調の原因になり得るという。体とタンパク質の関係は、非常に複雑なのです。

しかし、体調不調の原因がプロテインなのか、それ以外にあるのか、見分けることは難しい。見分ける方法はあるのだろうか。

「記録をつけることでしょうね。摂取したプロテインの種類、量に加えて、トレーニングの内容、それから食事のメニュー、睡眠時間などを記録する事が、不調の原因を見つける鍵となります」

日夜トレーニングを積んでいる人であれば、毎日のトレーニングメニューを記録している人は多いだろう。そこに、その日に飲んだプロテインの内容を書き加えるだけでいいのだ。

自身に合うプロテインの種類や量を事前に知るすべがない以上、プロテイン摂取の履歴と、関連する情報の記録をつけておくことが、唯一、不調の原因を正しく知る方法といえる。

「プロテインの種類や量を変えたタイミングで不調が起きれば、それが不調の原因である可能性が高いですし、ほかに変化したものがあれば、そこがトリガーになっているかもしれません。記録を見返し、不調の原因を迅速に見つけ出せれば、すぐに問題点を改善することができます。そうすれば、トレーニングの効率を下げずに済むので、おすすめですよ」

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